加賀友禅技術振興研究所

設立趣旨

  加賀友禅は金沢を代表する伝統工芸のひとつであるとともに、金沢のアイデ

ンティティを構成する重要な要素でもある。しかしながら、需要の急激な落ち込

みによって産地の縮小を余儀なくされており、産業としての将来とともに、金沢

の文化の継承という側面からも懸念が生じている状況にある。
  研究所の第一の役割は、こうした現状を打開するため、産地の作り手、送り

手が、自分たちがどのような商品を作り、どう売るのかを発想し、その実現に向

けた具体的な行動を起こすことを支援することであり、加賀友禅をつくり、売る、

という産地としての営みの活性化を図ることにある。
  このため、加賀友禅についての幅広い情報を集積・発信し、研究所にアクセ

スすることによってさまざまな情報を得ることができるようにするとともに、加賀

友禅にかかわりを持つ多様な人々がつながる拠点として機能し、産地内とどま

らないコミュニケーションの創出を促進し、産地の新たな活力を生み出す契機

としていく。

  さらに、歴史・文化の側面から加賀友禅への理解を深め、まちづくりの観点

から地域における役割を考えることにより、加賀友禅の伝統文化の継承ととも

に、歴史都市金沢の魅力向上につながることが期待される。